ジュニアサッカージャッジ リプレイ#9

概要:ドロップボール

 

ジュニアサッカージャッジ リプレイ#5 - 渦の中で

 

先日、京都府のジュニアのトップリーグ京都府一部)最終日の試合をテレビで放送していたのでいくつか気になるプレーを紹介しましたが、全て見ていなかったので、先日みていなかった残りの試合の中で気になるプレーがあったので紹介します。

 

その試合を担当していたのは3級の方だったんですけど(ワッペンで確認できたので)、笛の音が小さくて(他の試合の笛の音は聞こえていたのでテレビだからではないと思います)、テレビで映っているだけでもいくつかファウルも取れていなくて、「この審判イマイチやな」って感じだったんですけど、その中でも「これはちょっとどうなん?」ていうのがあったんで紹介します。

 

センターサークル付近で選手が足をつって倒れこむ。一連の流れでシュートをGKがゴールエリア中央、ライン上の辺りでキャッチした時点で審判が笛を吹いて試合を止める。この笛はタイミングとして申し分ないと思います。

 

それで、足をつった選手が戻ってからの再開なんですけど、映った映像では攻撃側の選手がドロップされたボールを軽くキックしてGKにパス。

6年生なんで選手も理解しているからそうしたのかも知れませんけど、この場合、ドロップしたボールをキーパーに取らせればそれでOKなのに、なんでそんな事したのかなと思います。

もし、攻撃側がキックしたボールがキックミスで変な方向に飛んでそれをGKが触ったけれども転がってゴールすれば1点。 ゴールまでの距離が近いので可能性がないわけではありません。

私も中央付近とかであれば、ボールを保持していた方と逆のチームに、保持していたチームにパスさせてから開始にしたりしますけど、位置的に考えてもこの場合はまずいんじゃないかと思いました。

 

以前も書きましたけジュニアの場合は(特に低学年になればなるほど)、怪我などがあった場合に選手がボールを出すことを期待せずに審判が試合を止めた方がいいと思います。なのでドロップボールからの再開というのも非常に多いのでまだ審判経験が浅いという方はよく理解しておいた方がいいと思います。

 

止め際が肝心 - 渦の中で

 

 競技規則 第8条 プレーの開始及び再開(一部抜粋)

2. ドロップボール
進め方
主審は、プレーを停止したときにボールがあった位置でボールをドロップする。ただし、ボールがゴールエリア内にあるときにプレーを停止した場合、ボールは、プレーを停止したときにボールがあった地点に最も近いゴールラインに平行なゴールエリアのライン上でドロップされる。
ボールがグラウンドに触れたときに、ボールはインプレーとなる。
何人の競技者でもドロップボールに参加できる(ゴールキーパーを含む)。主審は誰がドロップボールに参加してよいか、また、ドロップボールの結果について指示できない。
反則と罰則
次の場合、ボールを再びドロップする:
・ ボールがグラウンドに触れる前に競技者がボールに触れる。
・ ボールがグラウンドに触れたのち、競技者に触れることなく競技のフィールドの外に出る。
ドロップされたボールが2 人以上の競技者に触れることなくゴールに入った場合、プレーは次のように再開される:
・ ボールが相手競技者のゴールに入った場合、ゴールキック
・ ボールがそのチームのゴールに入った場合、コーナーキック

 

 

ジュニアサッカージャッジ リプレイ#8

概要:スローインについて

 

プレイの内容: 一つのチームがスローインの開始位置を度々間違える(ごまかす)。

 

私が取った対応:何度か開始位置を指示。それでも直らなかったので、強い口調で「スローインの開始位置が間違っている。ちゃんとしてね」と注意。一応、それ以降はなくなった。

 

反省点:そのチームの試合を2試合審判したんですけど、2試合で多分5回以上(10回はいってないと思うけど)開始位置が間違っていて、その度に指摘しました。

2回目の間違いのときに口頭で注意(次からファウルスローをとるという事)、3回目からは有無をいわさずファウルスローをとるべきだったかなと思います。

 

ちなみにこれは公式戦の話です。

普段は選手の年齢やレベル、試合の規模(重要なカップ戦か小さな大会か練習試合か)に応じて、ファウルスローをとらずに「もう1回やろう。」と言った後に「両足をちゃんとつけて」とか「頭の上を通して」とかって駄目だった部分を指摘してあげたりもしています。私はどちらかというとドライなジャッジをしますけど、やっぱりジュニアだと育成という部分も大事ですからね。

 

優しさあふれる審判 - 渦の中で

 

確認した事項:スローインの開始位置が違う事もファウルスローになる(競技規則をみると多分ですけど)。

 

1. 進め方
・ ボールが競技のフィールドを出た地点から、頭の後方から頭上を通して両手を用いてボールを投げなければならない。

 

 

「フィールドを出た地点から・・・」となっているので、出た地点が違うのはファウルスローに該当すると思います(ネットで調べてもそのように書かれている記事が多いですし)。

出た地点より後ろ(自分のゴール側)であれば自分たちに不利になるんで別にファウルスローをとる必要はないかなと思いますが、前(相手のゴール側)であればファウルスローをとらないと駄目ですね。

あと、開始位置が同じでも、タッチラインから離れて(1m以上位)スローインした場合もファウルスローになるみたいです。こっちも、どちらかというとスローインする方が不利になるかなと思うんですけど、ファウルスローにすべきっていう意見が多いみたいです。

 

参考:

よく間違った運用をしている審判も見かけますけど、スローインしたボールがフィールドに入らずに地面についた場合は同じチームがスローインのやり直し。ファウルスローで相手チームのスローインではありません。

これって、中学生以上だとレアかも知れませんけど、ジュニアの低学年だと結構ありますので、ジュニアの審判をされる方は覚えておいた方がいいですよ。

 

 

ボールは、競技のフィールドに入ったときにインプレーとなる。ボールが競技のフィールドに入る前にグラウンドに触れた場合、同じ地点から同じチームによるスローインが再び行われる。スローインが正しく行われなかった場合、相手チームがスローインを行う。

 

 

競技規則 第15条 スローイン(一部抜粋)

 

スローインは、グラウンド上または空中でボールの全体がタッチラインを越えたとき、最後にボールに触れた競技者の相手競技者に与えられる。
スローインから直接得点することはできない:
・ ボールが相手チームのゴールに入った場合- ゴールキックが与えられる。
・ ボールがスローワーのゴールに入った場合- コーナーキックが与えられる。
1. 進め方
ボールを入れるとき、スローワーは:
・ 競技のフィールドに面して立って、
・ 両足ともその一部をタッチライン上またはタッチラインの外のグラウンドにつけ、
・ ボールが競技のフィールドを出た地点から、頭の後方から頭上を通して両手を用いてボールを投げなければならない。
すべての相手競技者は、スローインが行われる地点から2m(2 ヤード)以上離れなければならない。
ボールは、競技のフィールドに入ったときにインプレーとなる。ボールが競技のフィールドに入る前にグラウンドに触れた場合、同じ地点から同じチームによるスローインが再び行われる。スローインが正しく行われなかった場合、相手チームがスローインを行う。
競技者がスローインを正しく行い、不用意でも、無謀でも、また過剰な力を用いることもなく、意図的にボールを相手競技者に向けて投げて、はね返ったボールを自分のものとした場合、主審はプレーを続けさせなければならない。
スローワーは他の競技者が触れるまで再びボールに触れてはならい。) 

 

ジュニアサッカージャッジ リプレイ#7

三連休の真ん中の試合は2チーム出しした事もあって7試合の審判をしたんですけど、試合が多い少ないではなく、レアな事象がありました。

 

プレイの内容:レガースの着用の不備

 

プレイの詳細:試合開始2分くらいで選手のレガースが外れたので、プレイが止まった時点で(ゴールキーパーがボールをキャッチした時)着用を指示。

これが公式戦だったら有無をいわせず一度退場させて、予備審判のチェックを受けさせてから復帰なんでしょうけど(※1)、小さなカップ戦で、主催しているチームの選手という事もあって、着用したことだけ確認してプレイ再開。

 

15分ハーフの10分を過ぎたくらいでまたレガースが外れる(というか飛んでいった感じ)。よくみるとソックスのゴムが伸びきってブカブカな感じ。

退場させても良かったんですけど、「もう一度外れたら出場させないよ」って結構強い口調で注意。ただし、その選手がちょっと素直じゃない感じで、こっちがしゃべっているのに全然こちらを向かない。なので、肩をつかんで振り向かせてから「話してるんだからこっちを向きなさい。今度外れたら出させないよ」と強い口調で注意。

2回目に外れた時に用具チェックで一旦出なさいと指示した方が良かったかなと思いますけど、まあ、そんなに悪くはなかったかなと思います。

 

なにより、レアな経験が出来たので、今後公式戦などで同じような事があった場合にちゃんと対応できるかなと思います。※1で「公式戦なら・・・」って書いてますけど、これが公式戦で起きていたらちゃんと対処できていたか微妙です。

やっぱり実際に経験したかどうかって大きいですよね。

 

競技規則 第4条 競技者の用具 (一部抜粋)

6. 反則と罰則
あらゆる反則に対して、プレーが停止される必要はなく、反則した競技者は:
・ 主審に競技のフィールドから離れて用具を正すように指示される。
・ 用具を正していなければ、プレーが停止した際に離れる。

用具を正す、または、取り替えるために競技のフィールドを離れた競技者は:
・ 審判員に用具を点検されてから、復帰を認められる。
・ 主審の承認を受けて初めて競技のフィールドに復帰できる(承認はプレーが進行中でも行うことができる)。
競技者が主審の承認無く競技のフィールドに入った場合、その競技者は警告されなければならない。その警告をするために主審がプレーを停止した場合、プレーを停止したときにボールがあった位置から間接フリーキックが与えられる。ただし、妨害があって、直接フリーキック(またはペナルティーキック)が妨害の位置から与えられる場合を除く。

 

 

ジュニアサッカージャッジ リプレイ#6

ちょっと前に得意げにアドバンテージが取れたって書きましたけど、三連休の真ん中の試合で思いっきりミスっちゃいました。しかも、すごく恥ずかしい感じで。

ジュニアサッカージャッジ リプレイ#3 - 渦の中で

 

プレイの内容:ゴール前、ペナルティマークより少しゴールに近い場所で、前にキーパー以外いない状況でシュートしようとした攻撃側の選手に守備側の選手が横からチャージ(押していた)。バランスを崩しながらももう一度シュートしようとしたので、笛を吹かずにいると、守備側の選手がチャージ。バランスを崩したんで笛を吹いたんですけど、攻撃側の選手が頑張ってシュートしてゴール。

でも、思いっきり笛を吹いてPKにしてたんで、いまさらゴールは出来ずにPKにしました。

PKが決まってよかったんですけど、幻のゴールを決めた選手とは違う選手がPKを蹴ったんで、1点損した感じ。ごめんなさい。

 

1発目のチャージで笛を吹いてしまうか、あと1秒待てばよかったんですけど、結果的に最悪のタイミングで笛を吹いてしまいました。

あとで、ビデオをみたら、保護者(うちの嫁その他)の「点が入ったのになんで」っていう勝手な声が入っていて、少しだけむかつきながらも自分の未熟さに反省でした。

 

ジュニアサッカージャッジ リプレイ#5

今回の内容

  1. オフサイドにならないプレイ
  2. 決定的な得点機会の阻止

 

KBS京都で「U12京都府1部リーグ」の最終日の試合がダイジェストで放送されていました。たまたまテレビの番組表をみていたら放送があることに気付いて、録画してみました。

チームのコーチに聞いた話では府リーグ1部の試合の審判はサッカー協会から派遣されるそうで(基本的には)、意識の高い審判が多いようです。

私がみた(テレビに映った)限りでは4級の審判はおらず、みんな3級のワッペンをつけていて、はっきりとは映ってなかったけど一人だけ2級っぽいワッペンをつけた人がいました。

試合中のちょっと映った映像で、審判がプレイを見ながらサイドステップで移動しているシーンが映っていましたけど、普段の試合でもサイドステップやバックステップを使う審判ってあんまり見かけることがありません。

 

それで、テレビを見ていてちょっと気になったプレイが2つあったんで紹介します。

 

1つめのプレイ

プレイ内容:ゴールキックを前線の選手が直接受ける。守備側の選手がついておらず、キーパーと1対1。落ち着いてシュートして得点。

 

プレイの詳細:テレビでみただけなので勝手な推測もありますが、おそらく前線の選手がボールを受けたのは普通であればオフサイドポジション。ただし、ゴールキックオフサイドは関係ないので、守備側の選手はそのルールを知らなかったのではないかと思う。というのが、テレビの実況で、「XX(守備側のチーム)の選手は何が起こったのか理解できていないようです」というような事をいっていたので、「オフサイドと違うの?」という戸惑いだったのではないか(テレビに映った映像だけでの推測ですけど)。スローインオフサイドがないのは選手でも知っているけど、ゴールキックオフサイドがないのは知らない事が多いので、特に審判はちゃんとルールを知っておくべきですね。

6年生ともなると、キック力のある子はゴールキックでセンターサークルを越えたあたりまで飛ばすので特に注意が必要です。あと、これは私の経験ですが、4年生の試合でもコートが狭いと(この時は多分縦50m位)同じような事になりますので、注意して下さい。

 

失敗を糧として - 渦の中で

 

2つ目のプレイ

プレイの内容:前線の選手が抜け出してGKと1対1。GKがPAの少し外側でファウル。カードは出ず。

 

プレイの詳細:GKと1対1になった選手がPAから飛び出したGKに体をぶつけられて止められたんですけど、ファウルだけでカードは出ず。GKの動きはボールを取りにいったというよりは、ファウル覚悟で体をぶつけて止めたという感じ。

位置はゴール中央で、DFは少し後ろから追いかけていたという状況なので、「決定的な得点機会の阻止」でレッドカードになるんじゃないかと思いました。

 まあ、人によって決定的かどうかで意見が分かれるプレイかもしれませんが、カードなしっていうのはないんじゃないかな。

ジュニアだと京都府トップリーグの審判でもカード出せないのかなという感じですね(出さないではなく出せない)。

 

参考として、もう、5年ほど前になりますけど、私の甥(弟の長男)がジュニアで全国大会に出た時には、カードがバンバン出ていたみたいです。グリーンカードも積極的に出されていたみたいです。

 

 

 

競技規則 第11条 オフサイド(一部抜粋)

3. オフサイドの反則ではないケース
競技者が次のことからボールを直接受けたとき、オフサイドの反則にはならない:
ゴールキック
スローイン
コーナーキック

 

 

競技規則 第12条 ファウルと不正行為(一部抜粋)

得点、または、決定的な得点の機会の阻止
競技者が、意図的にボールを手や腕で扱う反則により、相手チームの得点、決定的な得点の機会を阻止した場合、反則が起きた場所にかかわらず、その競技者は退場を命じられる。
競技者が相手競技者に対して反則を犯し、相手競技者の決定的な得点の機会を阻止し、主審がペナルティーキックを与えた場合、その反則がボールをプレーしようと試みて犯された反則だった場合、反則を犯した競技者は警告される。それ以外のあらゆる状況(押さえる、引っぱる、押す、または、ボールをプレーする可能性がないなど)においては、反則を犯した競技者は退場させられなければならない。
競技者、退場となった競技者、交代要員または交代して退いた競技者が主審から必要な承認を得ることなく競技のフィールドに入り、プレーまたは相手競技者を妨害し、相手チームの得点あるいは決定的な得点の機会を阻止した場合、退場の対象となる反則を犯したことになる。
次の状況を考慮に入れなければならない:
・ 反則とゴールとの距離
・ プレーの方向
・ ボールをキープできる、または、コントロールできる可能性
・ 守備側競技者の位置と数 

 

ジュニアサッカージャッジ リプレイ#4

ジュニアサッカージャッジ リプレイ#1 - 渦の中で

 

今日の教訓「近づきゃいいってもんでもない」

 

記念すべきシリーズ第1回目で得点の見逃しについて取り上げました。

シュートされた後、ついついその場で立ち止まったままボールの行方を見てしまいがちですが、なるべくゴールに近づいてゴールしたかどうか見れるようにということを書きました。

 

私もこれまでは出来ていたかというとあまり出来ていなかったんですが、ブログに書いてから自分でも意識するようになって、シュート後にはゴールに近づいていくことが段々と出来てきていました(まだ完璧ではありませんが)。

 

それで、今回はそれが行き過ぎてしまった事について書きます。

 

プレイの内容:中央でGKと1対1になった選手がPAに入ってすぐにGKの頭の上を越す山なりのシュート。シュートの勢いがなかったので、GKが戻ってクリア(ノーゴール)。クリアしたボールを両チームがゴールエリア付近で少しごちゃごちゃして結局クリア。

 

問題点:ゴールの見極めで猛ダッシュしたため、PA内に入ってしまい、クリア後のごちゃごちゃに近づきすぎてしまっていた。今回は運よく上手く離れたのでボールや選手にぶつかったりはなかったのですが、場合によってはシュートやクリアが審判に当たってしまって得点に影響がでてしまいかねないので、PAへの進入はしないように気をつけないといけないと思いました。

 

多分、シュートされた後にまっすぐにゴールに近づくんではなく、横にずれれば、ボールがゴールラインを越えたどうか判断しやすいんじゃないかと思うので、ちょっとその辺を意識しておこうと思います。

 

ただ、ゴールラインを越えたかどうか微妙な事って、そんなに何度もあるわけではないので、いざその時に動けるかどうか不安です。

 

あと、今まで審判(一人審判)する際の動き方を結構適当にしていたんで、1回自分の中でどんな動き方をすべきか見直そうかと思います。

 

一人審判の基本の動き方で参考に

http://mfa.sports.coocan.jp/pdf05298.pdf

 

と言いつつ忖度してしまった

日曜日に公式戦があって、息子のチームは1回戦で負けてしまったんですけど、最後に書類(勝敗等の報告書)を持ち帰らないといけないという事で、寒い中で早く帰りたいのに決勝が終わるまで待たないといけないという、罰ゲームのような状態でした。

 

準決勝以降はグラウンド1面で行うので、別のチームが付き合ってくれて、もう1面で練習試合を行うことになりました。

 

何試合か練習試合を行って、これが最後の試合という時に、前半に私が審判をしたんで後半は本当なら相手チームが審判なんですけど、付き合っていただいたのでちょっとサービスで私が審判をしました。

 

それで、時間が来たので本当なら私の判断で笛を吹いたらよかったんですけど、「あと1プレイで終わりな」って選手に伝えました。

そしたら子供達が、タッチライン際でも何とか出さないように頑張ったんで(タッチライン際にきたら「絶対出すなよ」って他の選手が声をかけたりして)、中々プレイが中断しませんでした。

 

そうこうするうちに、息子のチームの選手がPA内にドリブルで進入したんですけど、そこで相手チームの子が後ろから押してしまいました。押された選手はバランスを崩しながらもこけずに頑張っていて、そのままクロスを上げたんですけど、それがゴールラインを割ってしまったのでそこで終了しました。

 

実はこのプレイ、本来ならPKというプレイで笛を吹こうかと思ったんですけど、こちらに付き合ってもらったので、最後がこっちのチームのPKで終了するのはどうかと忖度してしまいました。

 

後で、息子のチームの他の子から「誰々(押された子の名前)、後ろから押されてたで」ってクレームが入りました。押された本人と回りにいた子に「押されたのはわかっていたし、本当ならPKやけど、最後に自分のチームのPKをとるのは出来へんかった。ごめんな」って説明して許してもらったんですけど、あんまり納得はしてもらえませんでした。

本当に危険なプレーだったらPKをとってましたけど、大人の付き合いで忖度しないといけない時もありますね。

 

 

忖度せずに

今日の教訓:「出さずに後悔より出して後悔」

 

日曜日の公式戦でイエローカードを出しました。

 

公式戦で主審をしたんですけど、両チームともに4年生らしい素直な感じで、ラフプレーとか審判の目をごまかそうというようなプレーは全くなく、好感が持てたんですけど、一つのチームがリスタート(スローインゴールキック)がとにかく遅い。スローインでどこに出そうか迷ったり、ゴールキックの場合、キック力に自信がないからなんでしょうけど、どこに蹴ろうか迷ったりでとにかく時間がかかってました。

通常だと、1回目「リスタートは早くしよう」、2回目「あんまり遅いとカード出すよ」と言ったりするんですけど、今回は2回ほど「リスタートは早くしよう」は言ったんですけど「カード出すよ」という「警告の警告」はしてませんでした。

 

それで、終了1分前にゴールキーパーが手でボールを保持。で、また迷って迷ってボールを蹴らない。私が口で数えて15秒。やっと蹴る動作に入ったと思ったら途中でストップ。さすがに我慢できずに笛を吹いて遅延行為でイエローカードを提示。グラウンド全体がざわつきました。

試合終了後に、カードを出したチームの監督に「カード出しました」っていったらものすごく冷たい態度で、「事前にちゃんと注意して欲しかった」「ジュニアの4年生でああいうのはどうかと思う」って言われました。

 

おそらくジュニアであのカードは普通でいったら厳しい処分なんだろうなとは思います。ただ、私の中でカードをどう運用するのかというのが今の課題なので、しばらくは積極的にカードを出して行こうと思っています。もちろん、競技規則無視で乱発というわけではなく、競技規則に則って「ジュニアだから」という忖度はあまりしないというレベルでです。

今回の反省点は「警告の警告」をどっかでやっていたらと良かったという事です。まあ、それも出してみないと反省できないんで色々と波風は立つんでしょうけど、めげずにやっていこうと思います。

 

ちなみに、練習試合とかカップ戦なんかだと別にイエローカードを出してもメモらなくてもいいかも知れませんけど、公式戦はちゃんと報告しないといけないんで「背番号・時間・警告理由」が必要です。私は時間を付け忘れていました。ただ、終了1分前って時計をみたんでよかったんですけど、試合途中だったら忘れてしまうんできっちり時間も記入しましょう。

 

これまでに出したイエローカードは2回。

いずれもハンドの反則で、1回はキーパーが北陸に遠征した時で、キーパーがPAから飛び出してボールをクリアしたけどあまり飛ばなくて、そのボールを奪った攻撃側がシュート、それほど勢いがあるわけではないけど、キーパーの横を抜けようとしたボールをキーパーがPAの外にも関わらず手でストップ。本来であれば決定的な得点機会の阻止(故意のハンド)でレッドカード。今なら迷いなくレッドカードを出せると思うんですけど、その時はまだカードを出せるだけの技量がなかったのでイエローカードを出せただけでもOKかと思います。

ちなみにイエローカードを出したGKは別の試合でもPAを飛び出してタックルしたけどちゃんとタックルできずに攻撃側の選手が倒れこんだ自分の横を通り抜けようとした所を手でストップ。これもレッド相当かと思いましたが、この試合の審判はハンドの反則のみでカードはなし。結構みれている審判だと思っていましたけどそれでもカードは出せないんかという感じでした。

 

2回目はこれもPAギリギリにボールが転がってきて、GKが飛び出してボールをキャッチ。でも、飛び出した勢いでボールを持ったままPAの外に飛び出してしまった。悪気はないんだろうけど、イエローカード

この時は相手チームが「イエローカード初めて見た」ってちょっと感動してました。

 

 

第12条 ファウルと不正行為(競技規則(2018/19)より抜粋)

 

警告となる反則
競技者は、次の場合警告される:
・ プレーの再開を遅らせる。

 

退場となる反則
競技者、交代要員または交代して退いた競技者は、次の反則のいずれかを犯した場合、退場を命じられる:
・ 意図的にボールを手または腕で扱い、相手チームの得点または決定的な得点の機会を阻止する(自分たちのペナルティーエリア内にいるゴールキーパーを除く)。

 

得点、または、決定的な得点の機会の阻止
競技者が、意図的にボールを手や腕で扱う反則により、相手チームの得点、または、決定的な得点の機会を阻止した場合、反則が起きた場所にかかわらず、その競技者は退場を命じられる。
競技者が相手競技者に対して反則を犯し、相手競技者の決定的な得点の機会を阻止し、主審がペナルティーキックを与えた場合、その反則がボールをプレーしようと試みて犯された反則だった場合、反則を犯した競技者は警告される。それ以外のあらゆる状況(押さえる、引っぱる、押す、または、ボールをプレーする可能性がないなど)においては、反則を犯した競技者は退場させられなければならない。
競技者、退場となった競技者、交代要員または交代して退いた競技者が主審から必要な承認を得ることなく競技のフィールドに入り、プレーまたは相手競技者を妨害し、相手チームの得点あるいは決定的な得点の機会を阻止した場合、退場の対象となる反則を犯したことになる。
次の状況を考慮に入れなければならない:
・ 反則とゴールとの距離
・ プレーの方向
・ ボールをキープできる、または、コントロールできる可能性
・ 守備側競技者の位置と数
 

 

ジュニアサッカージャッジ リプレイ#3

今日の教訓:「自分で自分を褒めてあげたいです」

 

そり立つ壁(アドバンテージについて1) - 渦の中で

そり立つ壁(アドバンテージについて2) - 渦の中で

 

今日は、私の「ナイスアドバンテージ」について書きます。

以前アドバンテージをとる事の難しさについて書きましたが、初心者審判にとってはアドバンテージは本当にとるのが難しいんです。

 

アドバンテージとは、ファウルが発生した時に周りの状況(ファウルが発生した場所、ボールの行方、両チームの選手の人数や位置)を把握した上で、ファウルを受けた側が引き続き有利な状況にあると判断した場合に笛を吹かずに手(両手あるいは片手)を前方に伸ばして「プレーオン」とコールするという手順です。

それで、アドバンテージをとった数秒以内に、ファウルされた側の有利な状況が続かなかった場合はファウルをとる、そのまま続けばそのファウルはとらない(ただし、警告等の対象であればプレー後に行う)というものです。

 

これって、審判した事のない人にとっては簡単に見えるかもしれませんが、本当に難しくて、私も審判するまでは子供の試合を観戦していても、「今のはアドバンテージとれよ」って思ってましたけど、見るのとやるのでは本当に全然違います。

 

アドバンテージを取れる審判を他のスポーツで例えると(私の独断と偏見)

  • 柔道その他格闘技・・・黒帯
  • スキー・・・こぶ斜面を滑れる
  • その他のスポーツ・・・素人が「おっ、すごい」と思えるプレイができる

 

 

前置きが長くなりましたけど、日曜日にあった公式戦の後のトレーニングマッチで私のナイスジャッジがあったんで紹介します。

 

プレイの内容:PAわずかに外で息子のチームのなでしこ選手が転倒させられる。転がったボールを息子がとってシュート。ゴール!!

審判(私)のナイスアドバンテージ。

 

プレイの詳細:息子のチームが攻撃していて、センターサークルより少し相手側に入った中央から左サイドにパスが出る。それをPAより少し外側で息子のチームの「なでしこ」選手がボールをワンタッチしたところで守備側の選手に転倒させられてしまう(ファウルされたのはPAのギリギリ外)。ボールが中央に転がって、息子がそのボールを保持。ディフェンスが少し後ろについていたけど、ほぼフリーな状態でシュートして得点。

 

後で嫁が撮っていたビデオで確認したんですけど、ファウルさせられた瞬間に転がったボールを確認して、息子がボールを保持した時にアドバンテージのジェスチャーもきっちり出来ていて、我ながら会心のジャッジ。

このジャッジがコンスタントに出来れば3級レベルなんじゃないかって思います。

 

でも、息子と嫁は息子の得点にしか興味がなく、私のナイスジャッジをリプレイしながら解説しても全く興味なし。

 

まあ、所詮審判なんてそんなもんなんで、自分で満足すればそれでいいんです。

 

競技規則第5条 主審(一部抜粋)

アドバンテージ
・ 反則があり、反則をしていないチームがアドバンテージによって利益を受けそうなときは、プレーを継続させる。しかし、予期したアドバンテージがそのとき、または、数秒以内に実現しなかった場合、その反則を罰する。

 

 

VARの定義

 VAR結果への批判 - 渦の中で

 堂安律へのファウルがレッドカードからVARによってイエローカードになった件を書いたブログにコメントをいただきましたので、それに対して私の見解を書きます。

ちなみに、私がブログで書いたのは、ネットでみた記事に対する「薄い内容」ですけど、コメントいただいたJongewoudさんはこの件に関して、経緯その他詳しく書かれておられます(多分オランダ語?の記事などを引用されています)。

 

id:Jongewoudさんのコメント

>VARはビデオ判定の名前では無く審判員の名前ですので、「VAR結果」や「VAR判定」というのは意味不明ですよ。

  

ビデオ判定による誤審: プロメスのファールはなぜイエローカードに修正されたのか - 我がフェイエノールト

 

 

私の考え:「特に限定しない場合、VARといった場合は、モニターその他設備とそれを操作する人をセットにしたシステム(テクノロジー)の事」

 

競技規則 | 日本サッカー協会

競技規則に書いてあるVARの手順を読んで、審判員としてのビデオアシスタントレフリー(VAR)のことは知ってましたが、VARについていくつか私がブログで書いた記事では、あくまでもシステムとしてのVARについて書いています。

おそらく、ネットその他でのVAR絡みの記事もそのほとんどは審判員としてのVARではなく、それを含めたシステムとしてのVARという意味で書かれたものがほとんどではないかと思います。

 

下記以降はあくまでも私の解釈です(VARに関して、これまでは競技規則を何となく読んだだけでしたが、今回それに関する競技規則などを結構頑張って読んだ上での解釈です)。 

 

VARとは何なのか?

  • 狭義のVAR・・・ビデオアシスタントレフリー(審判員)
  • 広義のVAR・・・モニターその他設備+ビデオアシスタントレフリー(審判員)

 

狭義のVARは審判員(主審や副審などと同じ)、広義のVARはGLT(ゴールラインテクノロジー)などと同じテクノロジー(審判補助システム)。

 

競技規則の冒頭で、「VARというテクノロジー」という言葉が出てきます。この場合、モニターなどの設備とそれを操作する人(狭義のVAR)とをセットでVARという認識で書かれた文章と判断できます(「副審というテクノロジー」と表現するとおかしいように、ビデオアシスタントレフリー(審判員)という審判員に対してテクノロジーという言葉を使うのはおかしいので)。

 

競技規則(2018/19)冒頭文より

「ビデオアシスタントレフェリー(VAR)」が、2018/19 年の競技規則に新たに規定され、ゴールラインテクノロジー(GLT)に次ぐ新たなテクノロジーが競技会に用いられることが可能となった

 

  

競技規則のVARに関連する条文や「VARの手順」を読むと審判員としてのVARを意味する場合は「ビデオアシスタントレフリー(VAR)」と表記している場合が多いですが、システムとしてのVARと審判員としてのVARが明確に区別されていない事も多いです。

ただ、用語が明確に区別されていないのは、審判員としてのVARが大きな権限を持つわけではないので、その必要性がないのかも知れません。

  

ビデオアシスタントレフリーの役割(競技規則 VARの手順より一部抜粋):

「 チェック」によって「はっきりとした、明白な間違い」または「見逃された重大な事象」の可能性が示された場合、VAR はこの情報を主審に伝え(どのような判定を下すべきかは伝えない)、主審は「レビュー」を開始するかどうかを決定する。

 

 

結局は映像をみて判断するのは主審なので、堂安律の件に関してもサッカーダイジェストのWEBの記事の「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によってレッドからイエローに覆った」という文章は、正しくは「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)からの呼びかけ(援助)があって、レビューをみた主審が自分で判断してレッドからイエローに変更した」というもので、極論すればVARシステムを利用した主審の誤審という事になるのではないでしょうか。