DOGSOについて

 DOGSOとは:

 

競技規則(2019/20)より

英語版:Denying (a goal or) an obvious goal-scoring opportunity

日本語版:(得点、または、)決定的な得点の機会の阻止

※「 ()括弧」は私が付けました。

 

「決定的な得点の機会の阻止」の英文の頭文字(太文字)をとって「DOGSO」。

「ドグソ」と呼びますけど、Jリーグジャッジリプレイに出ているレイモンド・オリバーさんの発音を聞いていると、私には「ドグソ」ではなく「ドグゾ」に聞こえます。

 

レイ・オリバー - Wikipedia

 

ファウルが起こった場合に、そのファウル自体がカードの対象(無謀か・過剰か)ではなかったとしても、そのプレイがファウルで邪魔されずに続けられた場合に下記の4つを考慮して得点の可能性が高かったのかそうでなかったのかを判断して、「決定的な得点の機会の阻止」に当たる場合は退場(レッドカード)になります。

 

次の状況を考慮に入れなければならない:
・ 反則とゴールとの距離
・ プレーの方向
・ ボールをキープできる、または、コントロールできる可能性
・ 守備側競技者の位置と数

 

補足: ボールをキープできる、または、コントロールできる可能性とは

ボールを持った選手だけをみて判断。その瞬間にドフリーの味方が多くいて数的優位になっているから、そこに簡単にパスが通れば完全に1点という状況であっても、パスするというのは不確定な要素なので考慮しない(Jリーグジャッジリプレイで上川さんが話しておられました)

 

起こった場所がPA内であれば「PK+警告(イエローカード)」になります。これは、PKを与えられることで「実質1点 + 退場 + 出場停止」の三重罰は厳しいという事で2016年に改訂されております。

ただし、ハンドで決定機を阻止した場合はPA内でも「PK + 退場(レッドカード)」になります。サッカーだけに手を使う反則には厳しいですね。

これは、2018年のワールドカップで日本の初戦(コロンビア戦)で香川選手のシュートをカルロス・サンチェス選手が手で止めたため、退場になったプレイといえば、多くの人がわかると思います。

 

決定機とまではいえないまでも大きなチャンスとなる攻撃を妨害したと判断された 場合は「警告(イエローカード)」。

JリーグジャッジリプレイのVAR編では、主審のジャッジは「ファウル+カード無し」だったのが、「DOGSO」の可能性があるという事でビデオ映像を見て、「ファウル+警告(イエローカード)」に変更になりました。これは、決定機の阻止とまではいえないけど、大きなチャンスを妨害したという判断だと思います。

 

ここから下は余談:

googleで「DOGSO」と検索したら私のブログの記事が1番目とか2番目に表示されます(2019年8月30日現在)。

  

私が「DOGSO」についてブログに書いたのが2月27日。

Jリーグジャッジ リプレイ  VAR編」の中で、カウンターを受けたDFがPAの少し外側で攻撃側の選手を倒したプレイ(主審はファウル + カード無し)が取り上げられていました。そのプレイが「決定機の阻止」に当たるのか当たらないのか(当たるならレッドカード)会話する中で、「決定機の阻止」の事を「DOGSOなの?」という単語を使っていました。「DOGSO」って言葉は聞いたことがなかったので、ブログで取り上げました。

 それまでの「Jリーグジャッジリプレイ」では「決定機の阻止かどうか」が問題になったジャッジがあっても「DOGSO」という言葉は使ってなかったんですけど、今年のJリーグジャッジリプレイでは「DOGSO」という言葉を普通に使うようになってます。

「Jリーグジャッジリプレイ」で「DOGSO」が争点になった回では必ず私のブログのアクセス数も増えております。

 

DOGSO - 渦の中で

  

 

 

競技規則(19/20) 第12条 ファウルと不正行為(一部抜粋)

得点、または、決定的な得点の機会の阻止
競技者が、ハンドの反則により、相手チームの得点、または、決定的な得点の機会を阻止した場合、反則が起きた場所にかかわらず、その競技者は退場を命じられる。
競技者が相手競技者に対して反則を犯し、相手競技者の決定的な得点の機会を阻止し、主審がペナルティーキックを与えた場合、その反則がボールをプレーしようと試みて犯された反則だった場合、反則を犯した競技者は警告される。それ以外のあらゆる状況(押さえる、引っぱる、押す、または、ボールをプレーする可能性がないなど)においては、反則を犯した競技者は退場させられなければならない。
競技者、退場となった競技者、交代要員または交代して退いた競技者が主審から必要な承認を得ることなく競技のフィールドに入り、プレーまたは相手競技者を妨害し、相手チームの得点あるいは決定的な得点の機会を阻止した場合、退場の対象となる反則を犯したことになる。

次の状況を考慮に入れなければならない:
・ 反則とゴールとの距離
・ プレーの方向
・ ボールをキープできる、または、コントロールできる可能性
・ 守備側競技者の位置と数

 

反スポーツ的行為に対する警告 

・相手の大きなチャンスとなる攻撃を妨害、または阻止するためにファウルを犯す。ただし、ボールをプレーしようと試みて反則を犯し、主審がペナルティーキックを与えた場合を除く。
・ ボールをプレーしようと試みて反則を犯し相手競技者の決定的な得点の機会を阻止し、主審がペナルティーキックを与えた場合