VARの援助できる状況(事象)について

残念ながら女子ワールドカップで日本が敗退したようです。

それで、敗退につながった終了間際のPKがビデオ映像で確認されてハンドと判定されたようですが(私は試合を見てませんので記事に書いてある事を鵜呑みにしてますけど)、その記事の中でおかしな内容があったのでそれについてコメントします。

 

痛恨ハンドでPK献上の熊谷号泣…明確化された基準を適用か(ゲキサカ) - Yahoo!ニュース

 

 


  このプレーに関して主審はビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)でも確認していた。ただし確認後に熊谷にはイエローカードが出されたが、本来であればイエローカードはVARの対象外のため、イエローカードを出すのであれば、先に出しておく必要がある場面だった。

 

 

 

イエローカードはVARの対象外と書いてありますけど、対象外というのは例えば「スライディングタックルでファウルになったけどカード無し」という主審の判定に対して「イエローカードでしょ」というのでVARが介入(援助)するのはダメという事で、今回のように「PKかどうか」の判断でVARが介入して、結果としてPKだったためにそのいわばおまけとしてイエローカードが出ただけで(第12条の反スポーツ行為)、最初からイエローかどうかという判断で介入した訳ではないので、この記事の内容はおかしいんじゃないかなと思います。

 

上の例えで「スライディングタックルでファウルになったけどカード無し」となったけど、「あれはレッドじゃない?」という事でVARが介入して結果として主審のジャッジがイエローになるのはOKだと思います。

 

1か月ほど前に起こった湘南対浦和の得点を見逃した誤審の際に「簡易VARみたいのは入れられないのか?」という主張を結構色々な人が言っていたと思うんですけど、残念ながら競技規則にきちんと明記されているので無理なんですよね。

 

競技規則 第5条 主審(一部抜粋)

4. ビデオアシスタントレフェリー(VAR)
ビデオアシスタントレフェリー(VAR)は、VAR 手順および(VAR ハンドブックに定められている)実施要件を満たす試合や大会に限り、IFAB およびFIFA による書面の承認を得て、導入することが認められる。
主審は、次に関する「はっきりとした、明白な間違い」または「見逃された重大な事象」の状況に限り、ビデオアシスタントレフェリー(VAR)から援助を得ることができる。
・ 得点か得点でないか
ペナルティーキックペナルティーキックでないか
・ 退場(2つ目の警告によるものでない)
・ 主審が、反則を行ったチームの別の競技者に対して警告したり退場を命じた
ビデオアシスタントレフェリー(VAR)は、事象のリプレーを用いて援助する。主審は、ビデオアシスタントレフェリー(VAR)からの情報に基づき、または、直接リプレー映像をレビュー(フィールドでのレビュー)することによってのみ最終判定を下す。
「見逃された重大な事象」を除き、主審(および関連する「フィールドにいる」その他の審判員)は、常に判定を下さなければならない(反則の可能性があったが罰則を与えなかった場合の判断を含む)。判定は、「はっきりとした、明白な間違い」でない限り、変更することができない。

 

 

競技規則 第12条 ファウルと不正行為(一部抜粋)

反スポーツ的行為に対する警告

・ 相手の大きなチャンスとなる攻撃を妨害、または阻止するためにボールを手または腕で扱う。