VARの定義

 VAR結果への批判 - 渦の中で

 堂安律へのファウルがレッドカードからVARによってイエローカードになった件を書いたブログにコメントをいただきましたので、それに対して私の見解を書きます。

ちなみに、私がブログで書いたのは、ネットでみた記事に対する「薄い内容」ですけど、コメントいただいたJongewoudさんはこの件に関して、経緯その他詳しく書かれておられます(多分オランダ語?の記事などを引用されています)。

 

id:Jongewoudさんのコメント

>VARはビデオ判定の名前では無く審判員の名前ですので、「VAR結果」や「VAR判定」というのは意味不明ですよ。

  

ビデオ判定による誤審: プロメスのファールはなぜイエローカードに修正されたのか - 我がフェイエノールト

 

 

私の考え:「特に限定しない場合、VARといった場合は、モニターその他設備とそれを操作する人をセットにしたシステム(テクノロジー)の事」

 

競技規則 | 日本サッカー協会

競技規則に書いてあるVARの手順を読んで、審判員としてのビデオアシスタントレフリー(VAR)のことは知ってましたが、VARについていくつか私がブログで書いた記事では、あくまでもシステムとしてのVARについて書いています。

おそらく、ネットその他でのVAR絡みの記事もそのほとんどは審判員としてのVARではなく、それを含めたシステムとしてのVARという意味で書かれたものがほとんどではないかと思います。

 

下記以降はあくまでも私の解釈です(VARに関して、これまでは競技規則を何となく読んだだけでしたが、今回それに関する競技規則などを結構頑張って読んだ上での解釈です)。 

 

VARとは何なのか?

  • 狭義のVAR・・・ビデオアシスタントレフリー(審判員)
  • 広義のVAR・・・モニターその他設備+ビデオアシスタントレフリー(審判員)

 

狭義のVARは審判員(主審や副審などと同じ)、広義のVARはGLT(ゴールラインテクノロジー)などと同じテクノロジー(審判補助システム)。

 

競技規則の冒頭で、「VARというテクノロジー」という言葉が出てきます。この場合、モニターなどの設備とそれを操作する人(狭義のVAR)とをセットでVARという認識で書かれた文章と判断できます(「副審というテクノロジー」と表現するとおかしいように、ビデオアシスタントレフリー(審判員)という審判員に対してテクノロジーという言葉を使うのはおかしいので)。

 

競技規則(2018/19)冒頭文より

「ビデオアシスタントレフェリー(VAR)」が、2018/19 年の競技規則に新たに規定され、ゴールラインテクノロジー(GLT)に次ぐ新たなテクノロジーが競技会に用いられることが可能となった

 

  

競技規則のVARに関連する条文や「VARの手順」を読むと審判員としてのVARを意味する場合は「ビデオアシスタントレフリー(VAR)」と表記している場合が多いですが、システムとしてのVARと審判員としてのVARが明確に区別されていない事も多いです。

ただ、用語が明確に区別されていないのは、審判員としてのVARが大きな権限を持つわけではないので、その必要性がないのかも知れません。

  

ビデオアシスタントレフリーの役割(競技規則 VARの手順より一部抜粋):

「 チェック」によって「はっきりとした、明白な間違い」または「見逃された重大な事象」の可能性が示された場合、VAR はこの情報を主審に伝え(どのような判定を下すべきかは伝えない)、主審は「レビュー」を開始するかどうかを決定する。

 

 

結局は映像をみて判断するのは主審なので、堂安律の件に関してもサッカーダイジェストのWEBの記事の「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によってレッドからイエローに覆った」という文章は、正しくは「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)からの呼びかけ(援助)があって、レビューをみた主審が自分で判断してレッドからイエローに変更した」というもので、極論すればVARシステムを利用した主審の誤審という事になるのではないでしょうか。